滋賀県で「緊急輸送道路」沿道の耐震化促進 診断費用全額補助
滋賀県で、「緊急輸送道路」の沿道の建物の耐震診断を促す取り組みが始まっています。
地震が発生した際に、建物が倒壊して避難や救助の車両が通行できなくなることを防ぐのが目的です。
対象となる建物の耐震診断の費用は、県と国による補助が受けられることになっています。
「緊急輸送道路」沿道の建築物とは
緊急輸送道路とは、震災の際に避難や救助活動のために使用されることになる幹線道路のことを言います。
震災の被害を最小限にとどめ、早期復旧を図るためには沿道の建物の倒壊によって緊急輸送道路が塞がれるのを防ぐ必要があります。
このため、緊急輸送道路の沿道では特に耐震化の促進が重要となるのです。
2013年の改正耐震改修促進法施行によって、緊急輸送道路沿道の建物には耐震診断と診断結果の報告が義務付けられました。
東京都や大阪府では、この法改正に先がけて対策が進められています。
滋賀県では4月以降、対象となる建物の所有者に耐震診断を呼びかける取り組みを進めており、2017年度までに診断完了を目指す方針です。
滋賀県が指定する耐震化区間は?
滋賀県では、「市街地で3階建て以上の建物が連続して並ぶ」など、一定の条件に当てはまる大津市と彦根市の道路で耐震化の区間を設定しました。
指定区間となったのは、大津市の県庁周辺や国道1号、湖岸道路、堅田地域など合計13.9キロと、彦根市の彦根駅周辺の県道など0.8キロです。
1981年以前に旧耐震基準に基づいて建てられた建物が対象となり、該当する建物は民家やテナントビルなど54棟が確認されています。
今後、詳しい聞き取りなどによって対象となる棟数を確定させ、具体的な診断計画を進めていく方針です。
耐震診断費用は一部を除き全額補助
今回の緊急輸送道路沿道建物の耐震診断にかかる費用については、滋賀県と国の補助を受けることができ、基本的に全額補助となります。
ただし、延べ面積によって条件が異なり、一部の建物では一部費用負担が生じることになります。
耐震診断によって耐震改修が必要と判断された場合の改修費用の補助については、今後検討する予定となっているようです。