相撲部屋も引越し、高まる耐震意識と対策について
東日本大震災の脅威、また今後発生が予想されている東海大地震や南海トラフ地震などへの警戒から、人々の耐震に対する意識はかつてないほどに高まっています。
今回は耐震を巡る日本国内の現状、また備えておきたい耐震対策についてご紹介致します。
■高まる耐震意識
東日本大震災などの影響により、近年多くの人が地震に対する不安を感じていると思います。
○○会社が一戸建てに住む方に向けて実施した「自然災害アンケート」では、回答者500人中、約88%もの人が「自然災害が年々増えていると感じる」と回答しています。
また脅威と感じる自然災害については地震が圧倒的に多く、回答者の約96%もの人が「地震に対して脅威を感じている」と答えています。
そんな中で単に不安を感じているだけでなく、地震に向けて実際に対策を施す方も増えてきています。
最近話題になったのが「相撲部屋の引越し」です。
墨田区にあるとある相撲部屋は、2015年9月に大掛かりな相撲部屋の引越しを行いました。
激しい相撲稽古による建物の耐久性の低下と今後予想される地震の脅威から、相撲部屋の引越しを実施したようです。
これはほんの一例で、現在さまざまな場所で耐震意識が高まり、地震への対策が進んでいます。
■耐震等級の確認
地震対策をするためには、まずは「耐震等級」の確認をすることが大事です。
耐震等級とは建物の耐震性評価基準のことを指し、以下のように区分されています。
・耐震等級1
建築基準法と同程度の建物
・耐震等級2
1等級で想定する地震の1.25倍に耐えられる
・耐震等級3
1等級で想定する地震の1.5倍に耐えられる
耐震等級1があれば、震度6~7の地震であっても倒壊は避けられるとされていますが、地震によるダメージは建造されている地域や築年数でも変わってくるので、耐震等級が高ければ高いほどいいことは確かです。
耐震等級は「住宅性能評価書」で確認できるので、自身の建物がどの程度の耐震性を持っているか事前に把握しておくことが大切です。
またこれから新たに建物を建てる方は、耐震等級を意識した上で建造方法など決めることをお勧め致します。
■耐震性の強化
自宅の耐震性に問題がある場合は建物を建て直すことが一策ですが、そう簡単に出来るものではありません。
しかし耐震リフォームもかなり有効な地震対策の一つです。
最近は建物自体を立て替えなくても、補強材の追加などの耐震リフォームで耐震性を強化する事も可能です。
■耐震診断の実施や災害保険への加入など
地震によって危険が及ぶのは命だけではありません。
もし地震で建物が倒壊してしまった場合には、大切な資産を失うこととなり金銭的なリスクも負うこととなります。
そんな時に助けとなってくれるのが災害保険です。
地震に関する災害保険には「地震保険」「火災保険」などがあり、それらの保険に入っておけば地震で建物が被害を受けた場合に保険金を受給することができます。
ただしこういった保険は掛け金が高く、また近年の地震災害の多さから今後は更に掛け金が増えていく事が予想されるので、その点は考慮する事も必要です。
日本は今後も常に大地震には警戒をしなければならないので、被害を最小限に抑えるためには「各自でいかに耐震意識を持てるか」「いかに事前に耐震対策が施せるか」ということが大切になってきます。
耐震対策はやはりお金も掛かってきますが、そのままにしておくと実際に地震が起きた場合により大きなリスクを被ってしまうこともあります。
今回ご紹介した内容を参考に、今一度耐震対策について専門家と相談して耐震診断などを行う事も有効な手段の一つかと思います。