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各地で進められている商業施設の耐震工事について

各地で進められている商業施設の耐震工事について

日本は世界有数の地震大国です。
特に阪神淡路大震災と東日本大震災以降は建造物の耐震性能に対する関心がとても高くなりました。

特に商業施設は不特定多数の人が出入りするため、災害発生時は混乱が生じたり被害が拡大しやすく、他の建物よりも高い耐震性能が求められます。

これを受けて全国各地の商業施設では耐震性能診断やその結果を踏まえた耐震工事などが進められており、ひとつの大きな動きとなっています。


■○○○ ○○ストア(東京・目黒区)の耐震工事事例


2015年10月21日、東京・目黒区に「○○○ ○○ストア」が再オープンしました。
この店舗は鉄道高架下にあるため、○○○○線の耐震工事に伴って一時閉店となり、約半年間の休業を経て再オープンとなりました。

この耐震工事は、施設の真上を通る鉄道の耐震性能を向上させる意味で行われています。
鉄道も商業施設と同様、不特定多数の人が利用するため巨大地震発生時の災害リスクが高く、より強い耐震性能が求められているのです。

もしも鉄道真下の商業施設が倒壊した場合、その被害は施設利用者と鉄道利用者の両方に渡るため、半年以上も商業施設を休業してでも耐震化をするべきと判断されたのです。


■商業施設の耐震工事に伴う課題


「○○○ ○○ストア」が完全休業していたのは約半年間ですが、その半年間の前には約2年間の仮店舗営業期間がありました。合計すると2年と半年間を耐震工事に要したということになります。

新規に耐震性能の高い建物を建築するのと違い、既存の建物を強靱化するためには工法の制約が大きく、どうしても工期が長くなってしまいます。

特に今回の場合は鉄道路線も関わる工事でしたが、首都圏の大動脈でもある○○○○線を耐震工事のために完全運休するわけにはいかず、営業しながらの工事になったために工事が長引きました。

このように、商業施設の耐震工事は営業と工事を交互に進めたり、また一定期間休業したりなどの特殊事情を考慮する必要があるのです。


■○○○○駅(横浜・鶴見区)の耐震工事事例

■○○○○駅(横浜・鶴見区)の耐震工事事例


商業施設の耐震工事事例として、○○○○(横浜・鶴見区)の事例も見てみましょう。
2015年から2017年3月までと、やはりこちらも2年程度の工期が見込まれています。

それに伴って○○○○駅の高架下で営業している19店舗が一斉に閉店することとなってしまいました。

○○○○駅は1905年に開業した古い駅で、その高架下で営業していた店舗の中には地域で親しまれていたところも多く、近隣住民や常連からの悲しみの声は止みません。
しかし、1905年に開業したという事実だけを見ても同駅の老朽化や耐震性能に対する不安が大きくなっていることが分かります。

高架下で営業していた店の多くは別の場所に移転をするか、仮店舗営業をした後に同じ場所に戻って営業をするかをしなければなりません。
しかし、いずれにしても駅に直結した利便性が削がれるため、売上げのダウンは避けられそうにないというのが該当する店舗側の声です。


■何かあってからでは遅い、耐震診断の重要性


商業施設の耐震化は、既存店舗の閉店や仮店舗営業、移転など、多くの問題を抱えています。
それでも耐震工事を実行したのは現状をそのままにしておくリスクのほうがはるかに高いからです。

いつ起きてもおかしくない巨大地震にむけて、商業施設だからこそ今のうちにできることがあります。

まずは建物の現状を知るための耐震診断を行いましょう。
現状を正確に知った上でないと、店舗の処遇なども含めて有効な対策を講じることはできないのです。


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