知らないと怖い!住まいの耐震性はなぜ大切?
1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災、16年後の2011年3月11日に発生した東日本大震災と立て続けに日本を襲った大地震では多くの建物が倒壊したり火災にあったり、津波によって流されたりし、多数の死者が出ました。
これだけの被害を受けた今、自分の身や建物を守るだけでなく他人にも被害を与えないためにすべきことを考える必要があると思われます。
今回は地震による建物倒壊を未然に防ぐ方法として、耐震診断や耐震改修について考えていきましょう。
阪神淡路大震災の被害
1995年1月17日午前5時46分に発生した「阪神淡路大震災」では建物の倒壊による被害が圧倒的に多く、6433人もの尊い命が失われました。
このうちの86.6%の方が自宅の倒壊によって「窒息死」または「圧死」をされています。
さらに恐ろしいのは、神戸市内で亡くなった方の92%が地震発生直後から14分間の間に命を落としているという点です。
建物の倒壊による被害は瞬時に人の命を奪うということが分かります。
なぜここまで被害が多かったのか?
阪神淡路大震災では1981年6月以前の旧建築基準で建てられた家の多くが倒壊しています。
旧耐震基準の建物は震度5程度にしか耐えられないと言われているため、震度7を記録した阪神淡路大震災に耐えることができなかったと予想されます。
また、1980年以降に建てられた家の中でも古い建物が倒壊した例は多くあります。
大地震による倒壊は「どの耐震基準で建てられた建物か?」によってその危険度が変わるということが良く分かります。
耐震基準とは?
耐震基準とは建物がどの程度の地震に耐えうるかの強度を示す基準です。
大正時代から1981年(昭和56年)5月31日までの耐震基準は「旧耐震基準」と言われ「震度5程度の地震には耐えられる」とされており、それ以上の地震に対しては明確な基準がありません。
1981年6月以降に見直された耐震基準は「新耐震基準」となり「震度5強程度の地震では大きくは損傷せず、震度6強から7に達する程度の地震でも倒壊・崩壊しない」とされています。
さらにこの新耐震基準が改正されますが、そのきっかけとなったのが先述の阪神淡路大震災です。
新耐震基準では不十分とされる点について、建築における技術面をより強化し耐震性能を高めるための改定が行われました。
日本の耐震基準には2回の見直しポイントがあり、それぞれの時期によってどの程度の強度があるのかを見極めることができます。
今後予想される大地震
耐震基準のことを知ると気になるのが今後の大地震の予想です。
政府の「地震調査研究推進本部」によると、「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」があるとされる地域は日本全体の26%以上と言われています。
しかもその26%には、東京や大阪、名古屋、仙台などの大都市も含まれています。
高い建物が多く、人口密度が高い大都市で大地震が起これば、また甚大な被害が出ることは想像に難くありません。
今できることは何か?
所有する建物が古ければ大地震によって倒壊する危険性があり、それによって自分の命だけでなく周囲の人の命を脅かす危険性があります。
そのような事態を避けるためにまずは適切に耐震診断を受け、必要に応じて耐震改修を行うことが大切です。
倒壊のリスクを減らせれば身の安全を守れるだけでなく、精神的にも日々安心して暮らすことができるようになります。
耐震強度の重要性に気がつくことができたのなら、今できることから始めていきましょう。